2014年 09月 21日
“麩(ふ)”の最古の用例
これに次ぐ記録としては、それから一世紀近く降る文安元(1444)年に成立した、『下学集』という辞書の「飮食門第十二」に見られる“麩(フ)”という記述となります。この辞書を「いろは」順に再編した『饅頭屋本節用集』という辞書にも同様の記述が見られるようですが、語義についての解説を欠いている模様です。
麪筋(グルテン)の麩(ふ)についての語義解説を含む記述は、更に二世紀半ほど降る元禄十(1697)年刊行の『本朝食鑑』が最古の史料となりますが、それに先立つ貞享三(1686)年刊行の、黒川道祐著になる山城国の地誌にして、京都案内の書でもある『雍州府志』の「土産門巻六」に、“京麩”の語が見られるのも注目されます。
by KYO-FU-TA
| 2014-09-21 12:32
| 歴史と由緒